ガニュメーデース

ゼウスに愛された美少年 ガニュメーデス

ゼウスの浮気心は　美しき少年にも走る 雲間よりトロイアの緑の丘に目を向ければ 羊の群を遊ばせて 草にうもれ　うたた寝をする少年一人 美しき少女さえ恥ずかしさに顔を伏せるほど この世で一番美しい者 トロイアの王子ガニュメーデス ゼウスの胸は初恋のごとく高鳴り 激情は押さえもきかず　大鷲に身を変え 眠れる美少年をわしづかみ　大きく羽ばたき 天界に舞い上がれば ひ弱き少年　恐怖に身をもがけど　なすすべもなし ガニュメーデスの美しさは　神々さえもねたむほど 宴の酒杯にネクタルをそそぐ役を与えれば ゼウスひとときもそばから離さず ヘーラー　少年に嫉妬するも大人げなしと あきらめのため息 ゼウスしてやったりの上機嫌 愛童のつぐ神酒の味は　かくべつに美味とか